#38 イベールの地中海旅行
作曲家が見知らぬ土地に辿り着いた時、感じ取るさまざまな情報。日差しであり、空気の流れであり、匂いであり、それらが混じり合って音に昇華するとすれば、その色彩感に違いが生まれるのは当然でしょう。サン=サーンスが受動的に聞いて …
作曲家が見知らぬ土地に辿り着いた時、感じ取るさまざまな情報。日差しであり、空気の流れであり、匂いであり、それらが混じり合って音に昇華するとすれば、その色彩感に違いが生まれるのは当然でしょう。サン=サーンスが受動的に聞いて …
サン=サーンスは、若い頃は神童としての名を欲しいままにし、その後、フランス音楽界の重鎮としての作曲や演奏活動し続けました。それと並行して、各々の分野で素晴らしい専門的な知識も身につけていました。地質学、考古学、植物学、蝶 …
モーツァルトを凌駕するほどの早熟な天才として、その名を馳せたカミュ・サン=サーンス。 名声を欲しいままにした順風満帆な人生でありましたが、晩年は、アフリカはもとより、西はサン・フランシスコ、東はセイロン(現スリランカ)、 …
ラヴェルは亡き友人たちへの思い出を語りかける言葉を、あの細かいたくさんの音符にして、フランス語の流麗な言葉を連ねたような音の世界を作りました。そしてそれを古典的な舞曲にのせて、さまざまな人模様を浮かび上がらせます。 ちょ …
第一次世界大戦時、愛国的忠義心からラヴェルも軍隊に志願し、体重が2kg足りない(48kgしかありませんでした!)とハネられそうになりましたが、辛うじて負担の軽い後方支援のトラック運転を担うことに。それでも結局は健康を害し …
モーリス・ラヴェルとクロード・ドビュッシー。フランスを代表するふたりの作曲家に、ほぼ同時期に全く違った機構の新型のハープを開発したふたつの会社が作曲を依頼する。 前者は足元にあるペダルを操作して半音階を作り出すプレイエル …