たったふたつの単純の旋律が、音楽的対位法の結び付きを持たないまま、厳格に規則正しく繰り返し刻まれるスネア・ドラムのリズムに乗って、ただひたすらクレッシェンドをしながら進む。まさに、鬼才モーリス・ベジャールがバレエで体現したしたように、そこで蓄積されるエネルギーは求心力を得て上昇し昇華して、饗宴のさなか、やがて崩落。ブラックホールのような黒いひとつの点になるかの如く。
ナビゲーターの中田昌樹さんのレクチャーが2022年1月よりアンスティチュ・フランセ九州で始まります。プログラム詳細はこちらから。 https://www.institutfrancais.jp/kyushu/culture/french-classique/
【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】モーリス・ラヴェル『ボレロ』 指揮/レナード・スラットキン 演奏/フランス国立リヨン管弦楽団(配信期間:2022年1月15日〜2月14日)
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
【提供】笹川日仏財団