モーリス・ラヴェル作曲の『ソナチネ』。ソナチネsonatine とは、ソナタsonata の指小辞(ししょうじ/diminutive)で、少し小さなとか、よりも小規模な、演奏も容易でピアノの入門者が弾くような曲をさすことが多いようです。ハイドン、モーツァルト以来、ベートーヴェンに至るまで形式/内容共に拡張の一途を辿ったピアノ・ソナタのジャンルの中で、ラヴェルはその厳格で常套的な手法/形式感を避け、敢えて前世紀の古典的形式に留まりつつも、精緻を極めるミニチュアな世界を創り出します。
【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】モーリス・ラヴェル作曲『ソナチネ』第一楽章 ピアノ/フランソワ・ジョエル・ティオリエ
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
【提供】笹川日仏財団