『スペイン人作曲家よりスペインっぽい曲を書く作曲家』と称されたモーリス・ラヴェル。なのに、生涯、一度もスペインに足を踏み入れたことがなく、スペインに隣接した母の故郷バスク地方にも、生後三ヶ月居たのち25歳になるまで行っていなかった、と。
しかし、その作品には各々の土地の特徴がふんだんに盛り込まれています。
そんな異文化の音楽に繊細且つ敏感なラヴェルが、多種多様、あらゆる文化/民族が入り混じるアメリカに数ヶ月滞在すると、いったい何を感じ、吸収し、影響されるのか‥。フランス帰国後、直ちに書かれたピアノ協奏曲は、それが見事に結実した華やかな結晶。
【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】モーリス・ラヴェル作曲『ピアノ協奏曲 ト長調』第一楽章 レナード・スラットキン/指揮、フランソワ・デュモン/ピアノ、フランス国立リヨン管弦楽団
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
【提供】笹川日仏財団